緑内障

知らず知らずのうちに進行する緑内障

知らず知らずのうちに進行する緑内障眼圧の上昇によって、視野欠損の他、眼の痛み、頭痛、吐き気などを起こすのが緑内障です。
ただし、いずれの症状も初期にはほとんど現れません。また、非常に進行スピードが緩やかであることから、症状が現れても気づきにくい、という側面があります。
悪化すると視力が低下し、最悪の場合には失明に至ります。

緑内障の原因

緑内障の原因眼球を満たす体液を房水と言います。血管のない組織に栄養を送る役割を果たしています。
この房水の分泌・排出のバランスが乱れることで眼圧が上昇し、視神経が障害されて緑内障を発症します。

眼圧とは?

眼圧は、眼球の内圧のことをいいます。
眼圧は房水によって一定のレベルを維持されていますが、何らかの原因によって房水が過剰になると、眼圧の上昇、視神経への障害などをきたします。

眼圧が高くない緑内障「正常眼圧緑内障」

眼圧が高くないタイプの緑内障で、検診などでの眼圧検査でも正常なため、検診でもひっかからないことが多くあります。

40歳になったら一度は眼科受診を。年に1回の眼科での検診をおすすめします。

緑内障の検査と診断

 

緑内障の検査と診断緑内障は、以下のような検査を行った上で診断します。

眼圧検査

眼の硬さを測定します。痛みはありませんのでご安心ください。

眼底検査

瞳に光を当て、眼底の状態を調べる検査です。

眼の奥の視神経の状態を調べます。瞳孔を開く目薬をするので5,6時間は車の運転などができなくなります。

視野検査

見える範囲を調べます。 視野欠損がないか、視野欠損が進行していないかを調べます。

画像検査

網膜の断面の画像を調べる検査です。

緑内障の治療法

緑内障の治療法

眼圧を下げて進行を防ぐ

上昇した眼圧を下げ、視神経への圧迫を取り除いてあげることが緑内障治療の基本となります。
なお、緑内障は治療で完治する病気ではありませんので、薬物療法、レーザー治療、手術療法などを組み合わせて治療し、生涯管理していく必要があります。

薬による治療

まずは目薬による治療を行います。

眼圧が高くても、高くなくても、元の眼圧を下げる必要があります。また、眼圧を下げていくことで、視野欠損の進行を遅くします。
主に眼圧をコントロールするための点眼薬を使用します。場合によっては、内服薬も併用します。

レーザー治療

点眼、内服で十分な効果が得られない場合には、レーザー治療を検討します。
虹彩にレーザーで穴を空けたり、排出口を広げるなどして、房水の流れを改善します。
外来での処置が可能です。

手術

レーザー治療で十分な効果が得られない場合には、手術を検討します。
線維柱帯の切開などにより房水の流れを改善します。
白内障を併発している場合には、同時に手術を行うことも可能です。

緑内障Q&A

緑内障Q&A

緑内障になりやすい人、なりにくい人の違いはありますか?

男女比でいえば、女性、特に60歳以上の方に発症しやすい傾向があります。また、遠視の方、緑内障の近親者がいる方も、発症の可能性が高いと言われています。
一方で、近視の方が緑内障になった場合には、その進行のスピードが早いことが分かっています。

緑内障で低下した視力、失われた視野は治療で回復しますか?

緑内障によって視神経が圧迫され、傷つくと、その後治療をしても視力・視野は回復しません。治療によって可能なのは、進行を食い止めることです。
そのため、早期発見・早期治療が非常に重要になります。

初期にはほとんど症状がないようですが、早期発見のためにできることはありますか?

仰る通り、初期の緑内障にはほとんど自覚症状がありません。また、片眼のみ緑内障を発症した場合、もう片方の眼でその機能がカバーされます。そういったことも、受診の遅れの原因になっています。
症状がない早期のうちに発見するためには、定期的に検査を受ける他ないと言えます。少しでもご不安がおありでしたら、ぜひ一度当院にご相談ください。